時代を超えて。。。

THRO' THE RECENT YEARS
ARCHIE FISHER & BARBARA DICKSON 1970

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 フィッシャーファミリーの長兄Archie Fisher とのちにイギリスを代表するポップス歌手となるBarbara Dicksonの共同名義のアルバム。じゃあ、デュエットかと言われればバックコーラスはあるものの、掛け合いやデュエットは無い。。。

 最初にきいたときはピンとこなかったけれど、あとからじわじわくる。。。2004年にCD化されたものを買ったのだが、結局のところ去年と今年でArchieを1タイトル、Barbaraを2タイトル、共同名義のアルバムを1タイトルAmazon.UKで買っちゃった。10年越しで効いてきた(笑)

 朗々としたArchieの歌声は、心にしみる。トラッド独特の節回しもお手の物。独特のクセというか、アクというか、いちどはまったら逃げ出せない。。。Barbaraだって、絹のようなというよりは洗いざらしの木綿のような歌声なのだが、よく考えたらSandy Dennyだって決して美声ではない!のだ。すべてを包みこむような、素朴な優しさ。で、このアルバムは二人にとってそのキャリアのスタートに近いポジションで作られたものである。Archie はまだヒゲすらはやしていないぞ(笑)

 Archieはその後、相変わらず朗々と歌い続けている。寡作だが(笑)

 Barbaraはその後、2枚ほどフォークソングのアルバムを発表したのち、次第にポップスよりの活動が多くなる。今やイギリスの女性ポップシンガーで最も売れている一人なのだ。その作品は素晴らしいものであるかもしれないが、そこにこのアルバムの面影を求めるのは無理だとだけ言っておこう。
 しかし、Dark End of the Streetは別だ! 
Drumsに Dave Mattacks、Bassに Danny Thompson! どうだ!!
さらにKeyにはKevin Ayers & Whole WorldのRabbitだ!!
さらにさらに、一曲だけだけれどRbert Wyatt師が参加している。
これで悪いわけが無い。
もうね、Ewan MacCollのカバー「BALLAD OF SPRINGHILL」なんて涙なくしては聴けない!!

ブリティッシュ・フォーク・リヴァイヴァルのみならず、ブリテッシュ・ロックシーンの
もうひとつの源流にあたるこの一枚。悪かろうはずが無い♪
あ、写真はオリジナルです。残念ながらCDには「DECCA」の文字はありません。。。


おまけで、EwanのBALLAD OF SPRINGHILL(オリジナル)を貼っときます。
Barbaraのは見つからなかった。。。
http://youtu.be/gD4uzQj_2Vw
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# by bow1965 | 2013-04-28 19:53 | 〜80年代 英国のフォーク

カテゴライズなんて意味がない!

Oi Dai
Varttina 2000

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さて、フィンランドの女性ボーカルグループ。ここでは二度目の登場か?

 自然体な変拍子と完璧なコーラスワークといえば、フィリップ・クーテフ率いるブルガリアン・ポリフォニーがその頂点となるが。。。いやいやどうして。ブルガリアからチェコ、ポーランドを経てラトビア、リトアニアそしてスカンジナビア半島まで、連綿と変拍子民族がいる訳ですね(笑)

 バルカン半島辺りだと付加変拍子。。。8拍子+十六分音符とかね(笑)そういうリズムが骨髄までしみ込んでいるので、田舎のお祭りでみんなで大合唱!なんて時も変拍子らしい。。。スカンジナビア半島はそこまではいかないけれど、自然な感じで奇数拍子を多用してる。5拍子とか7拍子とか♪

聞いてると「およっ?」となる。いてみればリズムの字余り。そこがいいんだなぁ(笑)いわゆるプログレみたいに、
たとえば8拍子を332+323+233+2222とか刻んで、小節の最後と次の小節の最後の2拍を三連符にするとか、そんなむちゃくちゃはしない(爆)

そんななかでもVarttinaはおおらかで、力強い。そして、あくまでほがらかである。つまりエンタテイナーであるということ。もちろんパンチの効いたバッキングは言うまでもないが、メインはあくまでもヴォーカル。時にはユニゾンで力強く、時にはポリフォニックに繊細に。キャリアから考えれば、みなさんけっこうお年を召していらっしゃるのだけれど、声の色つやといい、そのパワーといい、若々しさが溢れ出している。

今はアマゾンである程度簡単に手に入るけど、数年前まではある特殊なお店でしか扱っていなかった(笑)こういうやつはなんでか、品切れになるとなかなか再版しない。けっこう地元では人気のバンドらしいんだけれど、品切れになるとなかなか再版しないので、気になった方はいますぐポチッとな(笑)


ようつべも、タイトルが半端なく増えてる(笑)






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# by bow1965 | 2013-01-14 09:30 | 民族音楽/シリアスミュージック

姉御 降臨!

FOOL'S MEETING
CAROL GRIMES AND DERIVERY 1970

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あ、いや、お久しぶりです(爆)

さて、キャロル・グライムズ姐さんの登場である。
どちらかと言えばカンタベリー一派としてとりあげられることが多く、
なるほど、バックはフィル・ミラーにスティーブ・ミラー、
ロイ・バビントンとピップ・パイルと来たもんだ。
まんま、ある意味でカンタベリーの王道の
側道をまっすぐ歩いていく連中(笑)

おもしろいことに、彼らの演奏には
後年華ひらくジャズロックや
ひねくれたポップの要素はほとんど見られない。
もちろん一癖も二癖もあるのだが
きわめてまっとうなブルースであり
あくまでフロントはキャロル・グライムスである。

このキャロルのしわがれた声がまたたまらん♪
どっしりとして安定感があり、
このとき、いったいいくつだったんだろう?

どちらかと言えば突き抜けるような歌声ではなく
地に足を踏ん張って呼びかけるような
力みはないけれど力強い歌声を
これまた太くて重くてブルージーな演奏が支える。
きっと、バックの面々がテクニシャンぞろいだからこそ
キャロルのボーカルを一番生かす演奏をしてるんだろうな。

歌声と演奏が一つの熱い塊となって
まっすぐに突き進んでくる。
若くしてすでに熟練の巧者となっていたバックメンバーの
その迷いのなさだけが、若さの証明かもしれない。
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# by bow1965 | 2012-04-30 17:51 | 〜80年代 英国のロック

エコーとディレイの織りなす結晶

The Return of the Durutti Column
the Durutti Column
1979


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伝説の。。。という言い方は好きじゃないが、
紙ヤスリジャケットの復刻である。ただし、CDの話だが。

オリジナルには赤文字や文字無しや
いくつかのバージョンがあるらしい。
なぜ紙ヤスリなのかというのは
所々方々で語られているので、割愛。

10代の終わりから20代にかけては
もう、DCとJDを浴びるように聞いていた。
あと頭脳警察と浅川マキ(笑)
オーバープロデュースとの意見もあるが
それがどうした?
確かに、生DCの音はダイナミックであったが、
それはブルース・ミッチェルに負うところが大きい。


でも私は、マーティン・ハネットの作ったDCの音が好きなのだ。
地の底から響いてくるかのような、ほの暗い音律。
冷ややかで透明感のある音楽。

包み込まれるわけでもない。
突き抜けるわけでもない。
引きずり込まれるとは、こういう事を言うのか。
底無し沼だ。透明な底無し沼。
魔性の音楽。。。。
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# by bow1965 | 2011-10-10 08:21 | 〜80年代 英国のロック

翳りの国

OTOWA SHIN 2
音羽信
2010


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前作「わすれがたみ」から35年後に届いた音羽信の新譜。とはいえ、わすれがたみと同時に創作されていたものを、盟友久保田麻琴が中心となって録音/製作したものである。バックの演奏はわずかに現代的だが、音羽信の声は変わらない。

前作がわずかなアシッドの香りとともに、わずかな浮遊感をともなっているのに対し、本作は地面にめり込むような重さがある。重さ?重みをともなわないので、引力というべきか?モノトーンの引力だ。

前作が日陰の木漏れ日だとしたら、本作は晴れた日に不意に日陰にはいってしまった感じ。仄暗い感じであるが、70年代特有の湿度はない。
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# by bow1965 | 2011-01-23 11:27

ぶれない事 の 美学 のようなもの

Transparency
Sky Saxon
2005


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さて、ロック界の至宝であるところのSky Saxon である。
Seedsのフロントマンであった彼は、
ガレージの創始者にして、いまだに皇帝として君臨している。





Seeds亡き後(とはいえ、再結成しているのだが www)、
あのYAHOWA13に合流ししたのも彼らしいといえば彼らしい。

で、このCD+DVDは、そんな彼の最新の映像がグリグリ動く。
まるでこのジャケットのまんまなのだ!!

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おっと、グリグリは動かない。ヨタヨタ動いていた(爆)
CDはともかく、DVDの破壊力は相当なものだ。
40年以上熟成を重ねてきた3コードのパンク(爆)
へたくそなのに加えて、加齢によるヘロヘロ感が絶妙に曲を加速させる。

楽器は勢いだけ。歌はよれよれ。
なのにこの息も絶え絶えなパワーは何だ?
さすが変態だけの事はある。。。。

今回はどうも言葉にできないので、まあ、動画を見てもらおう。
しかし、こんなCD+DVDが2000円足らずで
海の向こうから届けられる時代って。。。。。なんなんだろう?





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# by bow1965 | 2010-12-23 13:32 | その他の音楽

売られた喧嘩

ラビ
中山ラビ
2001


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金髪を振り乱して叫ぶラビを見たのは、全くの偶然だった。
衝撃を受けたというよりも、むしろいわれの無い喧嘩を売られたようで
正直、少し戸惑った。





この凄みはどこからくるんだろう?
しばらく歌う事からはなれていた彼女に
いったいどうしてこんな歌が歌えるんだろう?

かつて早川義夫は
「歌う事がひとつの表現なら
 歌わない事もひとつの表現だ」と言ったが
ラビにとって、歌とはいったい、何なのだろう?

繰り返し繰り返しラビの声を聞く度に
少しずつわかり始めたことがある。

ラビが私に喧嘩を売っているのではない
わたしがラビに喧嘩を売って欲しかったのだ。。。。



どちらかと言うと、後ろ向きで控えめで
それでいて太く存在感のあるその声

続ける 続けていく というのは表層の問題ではない
音羽信のうたと一緒に聞くと、それがよくわかる

何故もう一度うたい始めたのか。。。
誰かにすすめられて?
なんとなく?
きっかけを待っていた?
きっと、そうじゃない
声にしなかっただけで
実はずっとうたい続けていたんだ


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# by bow1965 | 2010-07-18 18:06 | 〜80年代 日本のロック

熱き血潮のほとばしる音塊

under a blood red sky
U2
1983


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邦題は『四騎』

ダブリンから登場した粗野で攻撃的な四人組による初のライブアルバム。

その演奏は荒々しく、力づくで魂をつかもうとする。
アイルランドは長らく英国に蹂躙され、虐待され、抑圧されてきた。
IRAは力づくで英国をはねのけようとして武器を手にとった。

U2は武器を手にとるかわりに、手にした楽器を武器にした。
力一杯、思い切り良く。それこそ力の限りそれをふりかざす。
ギターは世界を切り裂き
ドラムは世界を砕き
そしてベースは大地を穿つ



ボーカルの声は朗々と響き渡り
天へと吸い込まれる。

原初の叫びにも似たほとばしるその音は
なんの戦略も無く、技術も無く
その魂を盾にして、正面から世界と向き合う若者たち。
世界を変えたいという衝動が
まっすぐに音になってほとばしっていた。



やがて政治的にも音楽的にもビッグネームになった彼らは
世界を変えうる大きな力を手に入れた。
そして、洗練され知的になった彼らは
振り上げた拳を、狙ったところに慎重におろす。

はたしてそれをロックと言えるだろうか??
それとも、私が大人になれなかっただけなのだろうか。。。。
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# by bow1965 | 2010-05-28 22:02 | 〜80年代 英国のロック

訃報。。。。

武光徹のというか、日本の現代音楽の金字塔的作品である
ノヴェンバー・ステップで尺八を吹いていた
横山勝也師がお亡くなりになったようです。

師が近代邦楽に果たした役割を思うと
メディアがなぜ師をとりあげないのかと
単純にふしぎに思います。

ご冥福をお祈りします。


合掌
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# by bow1965 | 2010-04-25 07:29 | 民族音楽/シリアスミュージック

人に歴史あり

ピンクの心
野宮真貴
1981


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さて、彼女のデヴューがハルメンズだったのは有名な話だが、
いまだにもって私はこの「お散歩」が彼女のベストチューンだと思ってます、はい。
女王様然とピチカートに君臨し、ふてぶてしいまでに堂々と歌う彼女もきらいじゃないけど、
この、初々しい頃の彼女のほうが好き。好きったら好き♪

バックがムーンライダース人脈というのも嬉しい。
彼らは実験的であるけれど、他人のバックにまわると
非常に節度感のあるプロデュース/演奏を披露する。

で、なんと言っても白眉は「うさぎとわたし」でしょう。
ちょっとネオアコ風??な感じのミディアムテンポの曲。
こういう歌が彼女の声質に一番合ってると思うんだけど、
なまじ器用なだけに・・・・

昭和の名盤とまでは行かなくても、好盤だと思います。
格好いいより、かわいらしい彼女が好きなへ。
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# by bow1965 | 2009-11-29 11:31 | 〜80年代 日本のロック