無垢

腰砕けの犬
Maher Shalal Hasu Baz 2008

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 マヘルの初期の映像作品である。
篠田昌已も参加している。

もともと販売する目的もでもなかったのであろう、
ハンディで、しかも曲はブツ切れ。拍手はまばら(w)
100人に見せたら120人が酷いというだろう。

テクニック? 無い。 アンサンブル? 無い。 グルーヴ? 無い。
途中から曲を演奏しなおす。途中で演奏を止める。
音をはずす。リズムがずれる。

有名なバンドの特典映像のリハーサル風景だって
これより100倍はましな演奏をしているだろう。
今の中学生だって、もっと上手に演奏するぞ。
でも、ただへたくそな奴らがいくら頑張っても、
マヘルにはなれない。
上手いだけの奴らならなおさらだ。

80年代初頭のアンダーグラウンドシーンに
ひときわ異彩をはなった工藤冬里はキリスト教に改宗し、
すべての音楽的なテクニックを捨て去った。
そして結成されたマヘルは、
「こんな奴らに何時間演奏させても無駄なんだから、
もう電気落としちゃいましょう」とスタッフにいわれるほどに
不器用で、痛々しいほど無垢である。

かれらは魂を削りながら不器用に
手探りでひとつひとつの音を出していく。
それを聞く我々は、幸運にもまさに音楽の生まれる
その奇跡的な瞬間に立ち会うのだ。
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by bow1965 | 2008-12-10 20:19 | その他の音楽
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