初めまして!

Silent Corner And The Empty Stage
Peter Hammill 1974

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 ここは私の好きな音楽を、思い入れたっぷりに紹介するページです。 さて、第1回は非常に迷ったすえにこれにしました。

 今にして思えば、私が本格的に音楽に浸りだした80年代半ばは、私にとってもPeterにとっても不遇の時代でした(笑)その頃のピーターはコンスタントに新譜を発表していたにもかかわらず、旧譜は次々と廃盤になってゆき、次第にアルバムすら制作が困難になってしまいました。彼はカセットを通販しつつ、一節によればマリリオンの前座をつとめていたとか・・・

 そして、私は後追いで彼のアルバムを揃えようとしていたのですが、そこに立ちはだかっていたのは廃盤についてまわるプレミアの壁!!このアルバムは制作時期が早く、かつ非常に完成度が高い内容であったため、彼のアルバムの中で高いプレミアが付けられていたものの一つです。

 さて、内容はと言えば、迫り来る低音、雪崩のようなリズム隊、うねるホーン、そしてピーターの絶叫(笑)その内省と激情の入り交じった音塊は、ほとばしるようにエントロピーを増大させていきます。決して技巧派とはいえないながらくせ者揃いのメンバーが産み出す音圧は、からみあいながらきわめて複雑に展開していきます。

 70年代の彼の音楽は常に完成度が高く、極めて複雑で難解であると言われています。そしてライブステージでは、彼の絶叫が曲の完成度を上回るエントロピーで、すべてを押し流してしまいます。99%完成しているものをたった1%の激情で混沌にかえしてしまう激しさを彼は持っているのです。そして、恐ろしいことにバンドを解散した彼は80年代以降もなお、アコースティックギター一本の弾き語りでもって、バンド以上のエントロピーを産み出し続けています。その発露を目の当たりにすることが出来た私は、好運だったと思います。

 余談ですが、これはピーターのソロアルバムであるにもかかわらず、そのバックをつとめるメンバーは、彼のバンドVan Der Graaf Generatorそのままのフォーマットです。もっとも後年、バンドのほうのライブ盤の一曲目を飾るのは彼のソロアルバムからの曲であり、彼らにとってはソロとかバンドとかどうでも良かったのかもしれません。

 
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by bow1965 | 2006-05-11 21:29 | 〜80年代 英国のロック
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