邪教的な愛の歌

...IF I DIE,I DIE
VIRGIN PRUNES 1982

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 80年代初頭に猛威をふるったポジティブ・パンクの、真打ちとでも言うべき彼らの最高傑作である。最高傑作という言い方は正しくないかもしれない。最も聴きやすい一枚と言うべきか。もちろん彼ら独特の持ち味は少しも変わってはいない。

 彼らの演劇的なステージや、耽美主義的なスタイル、プリミティブなというよりも、ヘタウマととられかねない音楽性。今だに輝きつづけるその音楽は、後々多くのフォロワーを生み出した。しかしながら、フォロワーたちの多くが生み出した音楽は、今となっては懐メロにしか聞こえない。フォロワーたちとオリジネーターたる彼らの違いとは、いったいなんだったのだろうか?
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彼らのパフォーマンスを直接見たことはもちろん無いが、耽美であるとともにプリミティブなイメージがある。そしてそれらは背徳によって彩られているのだ。それに、独特の「間」をもった音楽が加わる。歌ともうめき声ともつかないしわがれた声が、どこからとも無く響いてくる。そして単調なリズムが、次第に熱をおびてくる。
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 かれらの最大の特徴はその密室的な雰囲気である。密室的というよりは密儀的とでも言おうか。秘教的/邪教的な危うさをはらんでいるその緊張感が、フォロワーを大きく引き離している。そこに、やはりイギリス的な諧謔が絶妙なバランスで差し挟まれる。

 おそらく、ファッションと音楽とパフォーマンスを足し算しても、彼らのようなバンドにはなり得ないのだろう。彼らは自分たちのイメージを体現するためにファッションと音楽とパフォーマンスを組み合わせたのだ。所詮、凡百の輩とはセンスが違う。

 私は、彼らこそが80年代を代表する三大バンドの一つであると確信している。ちなみにほかの二つはJOY DIVISIONと DURUTTI COLUMNだ、文句ある??
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by bow1965 | 2006-07-28 22:04 | 〜80年代 英国のロック
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