作品に対する、卑劣な行為

Plays Live
Peter Gabriel 1983
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最初に断っておきますが、この写真は最近出た編集盤で、オリジナルよりも曲数が少なくなっています。はじめてCDになったときは二枚組でしたが、今回の再発では(でも)Disk1の1の『The Rhythm Of The Heat』、3の『Not One Of Us』、7の『Intruder』、Disk2の6『On The Air』がカットされています。今回は、この4曲の有る無しでは、かなりライブの印象が違うという話をします。

 さて、80年代にはけっこうこの方の海賊盤を集めました。まだSoが発表される前の音源の、です。そこでわかったのですが、彼の場合はバックバンドに手練を揃えているため、けっこう曲を引き延ばしたり、間奏で掛け合いをやったりしているのです。
 残念ながらオフィシャルでは収録時間の関係からか、そういった演奏は外されていますが、たとえば20分近くacross the riverを演奏した後、アンコールで再び同じ曲を10分以上演奏したりしてます(笑)しかも、この曲の歌詞はacross the riverしかない、極端なワンフレーズソンング(爆)

 それゆえ、しつこいほどのリフレインで、単調なリズムで、次第に盛り上がっていく『The Rhythm Of The Heat』は入信の儀式としては絶対に外せない曲なのです。そして、彼のエスニックビートにたいする姿勢をもっともよく表している(単純に曲に上手にエスノビートを取り込んでるとか、そういった次元でなくてです)曲なのです。ね、PeTeRさん!!

 そして、このアルバムを貫くエスニックビートは、躍動しています。それはトニー・レヴィンやジェリー・マロッタのリズム隊に支えられているのは言うまでもありません。しかし、それはまた、彼が自らの音楽のルーツを遡った末にたどり着いた彼自身の内なるリズムでもあるのです。ロックとして、ここまで強靭で自由なリズムを手にした人を、私は他に知りません。

 技術的に見ればゲートリバーブや、さまざまな音のサンプリングなど、現在では当然のテクニックを実用化したことなど、非常に先進的なことを取り込んでいるのですが、結局あのリズムに乗って彼の声が聞こえてくれば、そんなものは所詮表現のためのテクニックでしかないことがよくわかります。ちなみに、『Intruder』はスタジオバージョンもそうですが、極めてゲートリバーブが格好よく使われています。

 そして、まるで呪文のようなしわがれたボーカルと、強靭なエスニックビートに導かれて、ライブ会場は興奮のるつぼになってきます。通常はその頂点に『Biko』がきて、客席との大合唱が延々と続くのですが、このオフィシャルライブは少し違って、『On The Air』が大合唱となっています。つまり、再発盤では一番の盛り上がりをカットしてしまっているのです。何たることだ!!

 というわけで、アルバムの印象も変わってきますし、ライブの運びがずたずたにされています。非常に悲しい思いをしたのは、きっと私だけではないでしょう。

 いくらリマスターだとしても、出来ることならこのアルバムは2枚組で聞いて欲しいのですが、巷ではぼやぼやしていると2枚組CDに5桁のプレミアがついていたりします。東芝さん、今までの罪滅ぼしに2枚組のオリジナルなかたちで再発してみてはいかが??
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by bow1965 | 2006-09-08 22:21 | 〜80年代 英国のロック
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