横綱級

LOVE,DEATH&LADY
SHIRLEY&DOLLY COLLINS 1970
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 トラッドシンガーであるシャーリーと、その姉で古楽の研究家であるドリーの共同制作であるこのアルバムは、全曲がどトラッドで極めて地味なアルバムである。巷では傑作アルバムであるAnthem in Edenの姉妹アルバムとしての認識であろうが、どうしてどうして、極めて完成度の高い、オリジナル性の高い傑作である。

 どちらかといえば抑揚の無い朴訥な歌声と、やはりほとんど起伏の無いゆったりとした伴奏。もともと古楽をベースにしたアレンジなので致し方ないのかもしれないが、ハープシコードやホルン(?)、リコーダーとバスビオラからなる、極めてストイックな伴奏もさることながら、歌にもう少し華があれば一般受けしなくもないだろうに(笑)ただ、充分私には受けている(爆)

 これは彼女のアルバム全般に言えることなのかもしれないが、無伴奏の曲が一番しっくり来るのは皮肉なものである。もちろん、伴奏の善し悪しではなく、曲の性格とシャーリーの資質とからくることなので、こればかりは仕方が無い。
 ただし、デイヴィ・グラハム(グレアムという表記のものもあり)と共同作成したFolk Roots, New Routesは別格だろう。バート・ヤンシュやジョン・レンボーン、ひいてはジミー・ペイジに影響を与えた変態オープンチューニングギター奏者デイヴィと、トラッドの歌姫シャーリーとの共演はまた別の機会にとりあげるとしても、大英帝国を代表する大御所ギタリストを相手に、嫌々ながらも一歩も引かない彼女は当時二十歳のくらいのはず。ということは、このアルバムのときで二十五歳くらいだと思うけど(それにしては写真が・・・)、この深みはいったいなんなんだろう。サンディ・デニーにしてもしかり、である。

 その後彼女は、トラッド気違いのアシュレイ・ハッチングス(ex.fairport conveshon)と結婚し、ますます健在ぶりを見せつけ、今でも 活躍中。そのディスコグラフィーは、見るのも嫌になるほど。私にとっては、横綱級というよりも、もう国宝級のシンガーですよ。

 ああ、こいつを買っておいてよかった!!!
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by bow1965 | 2006-09-18 20:02 | 〜80年代 英国のフォーク
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