無彩色

わがままな巨人
アニマ会議 2006
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 これは、音楽ソフトではないけれど音楽と映像が不可分で、しかもナレーションは工藤冬里(マヘル・シャラル・ハシュバズ)、音楽はさほり(同)というラインナップ。

原作はオスカー・ワイルドで、製作はアニマ会議、ディレクターは大鹿知子。切り絵を使ったアニメーションというのは独特の動きで、ストップモーション的なぎこちなさと奇妙な滑らかさが同居するものである。

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思い出すのはロシアのノルシュテインであるが、それとはかなり肌触りが異なっている。

モノクロの画面は、時に影絵のように(実際、影絵も効果的に使われている)
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時に豪華絢爛に
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物語を映し出す。

平面は光と影によって奥行きを手に入れ
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平面は光と影によってきらめくオブジェと化す
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淡々と進む物語は、やはり淡々とした工藤の語りによって進められる。
仄かな彩りを添えるさほりのピアノ。
映像と語りとピアノ、どれか一つだけでも成り立つほどそれぞれが魅力あるものであるが、それが合わさったものを見てしまうとどれか一つがかけても成り立たないと思わせてしまうほど、最初から不可分なものであったかのように結びついている。

多分、マヘルの音楽に対する姿勢と工藤の生き様(笑)がこの作品を呼び寄せたのだろう。たとえたった17分であろうと、ここまで現実から連れ出してくれる作品は少ない。しかも、これは異界へつながる目立たない橋なのだ。無理矢理連れ出すことも無いかわりに、渡ろうとしない人は決して向こう側にいくことが出来ない。なにより、あなたが渡る橋の向こうには、あなたしか見ることの出来ない世界が広がっている。

そしてこんな近くにその橋があったのだ。
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by bow1965 | 2007-03-25 09:22 | その他の音楽
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