もう一人のオリジネーター

Auto Da Fe
SPK 1983

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ボロボロのエレクトリックノイズと脅迫的なメタルパーカッション
陰鬱につづくビートと絶叫
精神病患者と看護士のコラボレーション
清朝の罪人をあしらったジャケット

70年代に開花したテクノサウンド(テクノポップではない)により
Kraftwerk によって音楽にもたらされた電子音はロック界に定着した
それまでの実際の楽器の置き換え的なシンセサイザーサウンドや
冨田勳に代表される効果音的な(宇宙的!)音空間を構成するサウンド
そうではなくてKraftwerk が目指したのは
純粋な電子音を聞かせるための手段としての音楽
そこで初めて合成されたノイズが音楽的に構成された
一番大事なのはノイズが目的を持って合成されていること。

それから間もなく、あたらしい混沌がやってくる。
その時、目的を持って構成された合成ノイズは
再び野生化し、ノイズ本来の凶暴性を手に入れる。
TGから発信されたノイズ・インダストリアル・ミュージック
もちろん、そんなカテゴリーは周りが勝手につけたものだ

陰鬱なテクノサウンドから出発した
初期のSPKにはノイズのコラージュが多用される
ノイズを構成して意味を持たせること自体が
ノイズを本来のノイズから切り離すことになるから
ノイズをノイズとして脈絡無く意味なく紡ぎあげること
時には曲そのものを無意味にしてしまうような
轟音の挿入にも、意味は無いのかもしれない

その後数知れないフォロワーがノイズを産み出し
鉄塊を叩き続けているけれど
初期の彼らほど,ノイズの野生化に成功したバンドはいない

もちろん、常人がそれを続けていけるはずも無く
ニール・ヒルは自ら命を絶ち
グレアム・レーベルは新しいパートナー
シナンとインダストリアルフレーバーの
ポップスを演奏するようになる。

今になってはどっちが患者でどっちが看護士だったのか
そんなことは誰も問題にしないだろう。
TGの蒔いた種の、もっともプリミティブな部分を
開花させることが出来たのはSPKだけであろう
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by bow1965 | 2007-04-14 19:52 | その他の音楽
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