上手いことは美味いこと

PHIL CODY
PHIL CODY 1976

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この人がどのくらいアルバムを出しているのか、私はよく知らない。ある日、ラジオからその歌声が流れてきたのを聞いた。そのとき思ったのは、「この人は歌が上手い」ということ。聞けばニール・セダカと一緒にソングライティングしていたのだそうだ。初めて聴いた曲はわりあいしっとりとした翳りのあるバラードで、すぐに気に入ったけれど、なんせ情報が無くその名前だけが強く印象に残っていた。

それから少したって、たまたま彼のアルバムが再発されると聞いて、すぐに注文したのだが、期待が高かったせいか、はたまた記憶の中で美化されていたのか、あらためて聞いたアルバムはそれほど良いとは思えずに、すぐに棚の奥にしまわれた。

ところが、10年ぶりに何とはなしに聞いてみると、これがまたいい感じである。この10年で私が年とったのか・・・聴かせてくれる歌声。しっとりと歌い上げるはりのある歌声。情感を込めて、それでも抑制の利いた歌声。ほんとうに歌が上手い。ソングライターであるとともに、シンガーであるのだ。しかし、その歌声はシンガーソングライターのそれではなく、まさにプロシンガーのそれである。しいて言えば丁寧でロマンチックなビリー・ジョエルか?? もう少し田舎臭い/素人臭い/男臭い/いい加減な感じつまりイナタさがあれば、シンガーソングライターとして売れていたかもしれない。あるいは、あと5年遅ければ、AORブームに乗れたかもしれない。1976年とはまた、中途半端なときにリリースされたものだ。

スタンダードになりきれなかったスタンダード。そんな感じで、私は自分の中にそんな歌を受け入れる場所があったことが、実は少し驚きだった。
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by bow1965 | 2007-05-31 20:59 | その他の音楽
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