音楽の到達点

THE YELLOW SHARK
ENSEMBLE MODERN/FRANK ZAPPA 1993

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 アンサンブル・モデルン名義ではあるが、正真正銘ザッパの作品しかも遺作である。ザッパは死後も様々な音源がリリースされ続けているが、やはりこれを遺作としたい。

 内容はほんとうに現代音楽だし、アンサンブル・モデルンは現代音楽専門の室内楽団である。音楽に対しては気難しやで完璧主義者のザッパが、安心して自分の作品をゆだねたところからしても、その技量が推し量られる。

  この作品を発表した時点で、彼はすでに癌に冒されており、間もなく帰らぬ人となる。しかし、この作品はそんなことは微塵も感じさせない。悲観的な部分、悲壮感、そうしたものは全くなく、音楽の喜びと無限のユーモアで満たされている。

 これはまぎれもなくザッパのロックンロールの延長である。人を食ったメロディに、にやりとさせるくすぐり、時には美しく、時には悲しい旋律。この作品には彼の音楽、ユーモア、皮肉そして希望と未来のすべてが濃縮されている。この作品がロックであるか現代音楽であるかなんてどうでも良い事。これがザッパの残してくれた最良の音楽の一つであることが大事なのである。

ザッパに匹敵するような音楽家が、はたして21世紀にも生まれるのであろうか。
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by bow1965 | 2007-10-07 16:08 | 民族音楽/シリアスミュージック
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