ジャップロック サンプラー
ジュリアン・コープ 2007 さて、英国ロックシーンの奇才ジュリアン・コープの著した日本のロック黎明期の研究書である。どうもジュリアンというとteardrop exploseのイメージが強く、巻末に記された彼のフェイヴァリットが 1位 フラワー・トラヴェリン・バンド 「SATORI」 2位 スピード・グルー&シンキ 「イヴ 前夜」 3位 裸のラリーズ 「HEAVIER THAN A DEATH IN THE FAMILY」 4位 ファー・イースト・ファミリー・バンド「多元宇宙への旅」 5位 J.A.シーザー 「国境巡礼歌」 以下略 というラインナップで、ちょっとびっくり。 内容は、きわめてマニアックなネタが満載!!ここまで詳細によくまあ調べ上げたなあと感心しつつ、そこに盛り込まれているジュリアンの思い込み(妄想W)との境目がわからずに、ちょっと苦笑。最も持ち上げられているのが内田裕也というのは、とっても良くわかる。彼が日本のロックシーンにもたらしたものはとても大きい♪ その一方で、村八分やラリーズや陳信輝はいったん持ち上げられるもボロクソに近く貶されている。全310頁になかで頭脳警察の名が出るのは僅かに2・3回、はっぴいえんどにいたってはゼロ!おもうに、我々が「日本語のロック」にこだわっているのに対し、ロックの本場からみればそれが「日本ぽいオリジナルのロックかどうか」ということが重要であるらしい。 ロックとしてどうかということを中心に記されているので、いままでの日本のこの手の研究書等を読み慣れたひとは少し戸惑うかもしれないけれど、一読の価値は十分にあるとおもいます。ただ、今新刊で買わなくとも(w) 重ねて言うけれど、重箱の隅まで丁寧につついた本書は同時にかなりの部分でジュリアンの妄想の書であるらしい。が、それら妄想を一言のもとに否定する、かゆいところに手が届くような膨大な量の脚注は必見(w)
by bow1965
| 2008-08-14 17:39
| 〜80年代 日本のロック
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