カテゴリ:その他の音楽( 41 )

レア盤100枚、買わなくて済んだ(笑)

Songs in the Key of Z
アーウィン・チュシド・著/喜多村 純・訳 2006
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 通常、音楽のキーはC〜Bのどれかであるが、それがZとは・・・つまり調子っぱずれ!
まずはプレスをちょっとひいてみよう

天才の音楽? ドラッグで人生を踏み外した人の音楽? 心に痛みを持った人の音楽? キ●ガイの音楽?……いや、そのすべてが間違っていて、そして、すべてが正しい。シド・バレットやキャプテン・ビーフハートのように、未だロック・レジェンドの中に生き続けている輩もいれば、シャグスやダニエル・ジョンストンのように、ある者は笑い、ある者はその音に涙するアーティストもいる。ハリー・パーチやロバート・グレッティンガーのように時代を経てついに評価された現代音楽家もいれば、いまだ失業保険で食いつないでいる名もなき天才たちもいる。ただ言えるのは、彼らの音楽には、いわゆるポップスや商業音楽のマナーでは永遠に辿り着くことができない、とんでもない謎と喜びに満ちあふれているものなのだ。もちろん、行き着く先は、天国か、もしくは地獄のどちらかだけど、ね。

 私はいわゆるディスクガイドブックは買っても、評伝や伝記、音楽評論なんかはいっさい買わないことにしている。いっぱんに、そういった本の著者は音楽をビジネスとしていて愛が感じられないか、愛がありすぎて文章表現がそれに追いつかず、日本語として成り立っていないか、そのどちらかであるものが多いからである。特に翻訳物については明らかな誤訳/意訳は枚挙にいとまがないであろう。

 しかし、この本についてはその心配は必要なかった。私は英語はよく読めないし、もちろん原著を呼んだわけでもないのだけれど、原著者のあふれんばかりの音楽に対する愛を、役者がしっかりと受け止めて(笑)、丁寧に訳出しているのは間違いない。もちろん、翻訳は大変な作業であったと察するが、訳すことを楽しんでいるのであろうし、この書が誰かの手に渡って、その誰かがにやにやしながらページをめくる様子をワクワクしながら想像したりしていたかもしれない(笑)

 題材となっている音楽を直接聞いたことがないとしても、読み物として充分楽しめる。ただし、扱っている音楽があまりにも通常の音楽とは隔たっている部分があるため、どのページを読んでもピンとこない方には、むろんお勧めはできないのだが。
掲載アーティスト:シャグス、シド・バレット、ダニエル・ジョンストン、タイニー・ティム、キャプテン・ビーフハート、ハリー・パーチ、ヤンデック、ザ・レジェンダリー・スターダスト・カウボーイ、ワイルドマン・フィッシャー……他、数えられない偉人たち。
この名前を見て、にやりとする人たちにとっては、この本は福音書か、はたまた悪魔の書か!?

 この書は、決して音楽の研究書ではない。解説書ですらない。その音楽を愛するあまり、ややストーカー気味に、音楽とアーティストの周辺を野次馬しにいくような話である。覗き趣味かもしれない。ちょっとはしたないかもしれない。行儀悪いかもしれない。それでも良いのだ!我々はその音楽を心から愛しているのだから!!

 この書を一人でも多くの人が手にとって、自分の音楽趣味は決して孤独なものじゃないことをわかってくれたら、それは素敵なことだ。私たちはもっともっと自由に聴きたい音楽を聴きたいのだ。

お買い求めはこちら

 もちろん、書誌としても大変素敵な装丁である。これ、原著のままだったら買わなかったかも!?
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by bow1965 | 2007-03-03 17:54 | その他の音楽

注意をよく読んでからご使用ください!

最近何かと便利なYou tubeですが、
なんとここにアップされている
音楽のヴィデオのうちから、
およそ20,000タイトルの
リストが掲載されているwebです。
タイトルの右にあるボタンを押すと
再生される(のだとおもいます)

ただし、20,000 曲分の
タイトルをロードするのには
うちのADSLでは時間がかかり過ぎ、
いまだに最後までロードしたことがありません。
ゆえに再生にもたどり着いていません。
ロードしている間はもちろん、ハングアップと
ほとんど変わらない状況です。

光ならあるいは大丈夫かもしれませんが
そうでない方は暇で回線のすいている時間帯
にお試しください。
http://cyber-knowledge.net/videos/videos.php

そして、これ
http://vixy.net/flv_converter
を使えば、その映像を劣化させずにお手軽に保存することが出来ます。
ただし、お手軽である分(?)結構エラーがでますので、
保証はいたしません。
確実性から言えば
http://keepvid.com/
こちらをお勧めしますが、FLVプレーヤーを
入手するか、コンバーターを入手しないと
再生できませんので、ちょっとめんどくさい。
あと、ちょっと画質は落ちますけど。

ちなみに、先のwebには素人の音楽や
音楽に合わせて踊ってるだけの映像なども
含まれるとのこと。
おそらく機械的にタイトルだけで
拾っているものと思われます。
当然でしょうね・・・
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by bow1965 | 2006-12-28 18:53 | その他の音楽

大地に根ざした音楽の強さ

Ilmattar
Varttina  2000
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 さて、ほとんど皆様に馴染みの無い北欧からの一枚。ヴァルティナです。フィンランドのカレリア地方の伝統的な女性コーラスグループとして結成されたらしいのですが、伝統的なリズム・メロディと現代的なアレンジが絶妙なバランスで組み合わせられています。

 全編にわたって繰り広げられるのは、パンチの効いた変拍子の(w)女性コーラス。これが寄せては返し、返しては押し寄せ、重なり、おいかけ、複雑に絡み合っていきます。そのそのコーラスは厚みといい、複雑な構成といい、我々にとっては超絶的なといっても良いほどなのです。
 これがほとんどスタジオライブで、オーバーダブは極力しない方向で製作されたと聞いて、のけぞってしまいました。いったい何人でこんな分厚い、アグレッシブなハーモニーを産み出すのだ!!(4人らしい)そして、バックを固めるカンテレをはじめとする民族楽器の数々。もう変拍子(付加拍子?)バリバリで、ユニヴェル・ゼロにコーラスが乗っかった感じと言えば、わかる方にはわかるでしょうか(w)

 このアルバムはフィンランドの神話的叙事詩カレワラ(ワイナミョイネンが活躍するやつね)に出てくる大気の女神をモチーフにしているそうですが、アーシーな感じである一方、結構ワールドミュージック風になっており、非常に聞きやすく仕上がっています。

 気になった方はここをポチッと押してみてください。これはシングルカットの都合上??結構聞シンプルな構成で、この一曲でアルバム全体の雰囲気がわかるわけではないし、ましてこの音質ではかなりきついものがありますが、なんとなくコーラスの感じくらいはわかると思います。

 で、結構フィンランド辺りの伝統的な音楽はバルト海を挟んで東欧諸国と通じるものがあります。地理的にも音楽的にも少し離れていますが、ブルガリアン・ヴォイスとも親戚みたいなもんではないでしょうかねぇ。
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by bow1965 | 2006-11-04 18:31 | その他の音楽

新着

本館のほうでしていた決算を音楽のほうだけこちらに引っ越してきました。
今年の6月から8月まで購入したCDは以下の通り。

Joe Boyd/White Bicycles: Making Music in the 1960s
V.A./Early Morning Hush
jandek/Telegraph Melts
Franz Ferdinand/same title
Franz Ferdinand/ You Could Have It So Much Better
IDHA/torublemaker
Simon Finn/Pass the Distance

あいかわらず、まんべんなく偏ってます。上から2枚は英国トラッドのコンピレーションですが、Joe Boydは60年代後半から70年代を通してイギリスのミュージックシーンの立役者なので、トラッドに限らず意外な選曲が楽しめます。

Franzはロックの王道!  とくに1stアルバムはワールド シャット ユア マウスくらいまでのジュリアン・コウプ好きにはたまらないでしょう。

Simon Finnはひねくれ者の多いイギリスの中でも、特にねじくれてます。5回転して正面を向いた感じ。最近(でもないか)デヴィット・ティベットがらみでカムバックしたというのがすばらしいと言うかなんと言うか・・・
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by bow1965 | 2006-10-12 21:30 | その他の音楽

胸のすくような

最近何かと話題のYou Tubeですが(笑)
これは凄い! ドリルもここまでくれば、ここまで来るもんだ(支離滅裂)
大技小技の連発!なにげにおっきい太鼓も凄いぞ!
http://www.youtube.com/watch?v=o7k6VYGtm8g&mode=related&search=

太鼓だけでこんなに楽しいとは!
http://www.youtube.com/watch?v=SVMiHC2Bj6k

いやあ、うごくうごく
http://www.youtube.com/watch?v=L0dqhYzYUVs&mode=related&search=

ぜひ、ご覧ください。気持ちいい!
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by bow1965 | 2006-09-29 20:41 | その他の音楽

最近、巷に流行るもの・・・

たまには、心洗われる音楽を・・・

http://www.youtube.com/watch?v=gKTHvW2JcAA

http://www.youtube.com/watch?v=zpYYBHs-fOc

http://www.youtube.com/watch?v=KaC3kQVXAzw&mode=related&search=

http://www.youtube.com/watch?v=G3ZT3kRMsEk

http://www.youtube.com/watch?v=ZvQd9pHSdbg&mode=related&search=

http://www.youtube.com/watch?v=4R_mgXmX3Mk

http://www.youtube.com/watch?v=SfXBDHeAfEc
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by bow1965 | 2006-09-11 20:08 | その他の音楽

近来稀に見る・・・

bareback
hank dogs 1998
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 某誌で「ストレンジ・フォーク」特集を組んでいたからというわけではないのだけれど、英国フォークです。60年代後半からイギリス本土で猛威をふるったフォーク・リヴァイヴァルは、チャイルド教授やセシル・シャープ卿、A.L.ロイドなどの仕事を土台にして、シャーリー・コリンズやマーティン・カーシーたちが種を蒔き、フェアポート・コンベションやスティーライ・スパンたちが華咲かせました。それはその後のイギリスの音楽シーンに有形無形の影響を与えたことは言うまでもりません。

 しかし、それを陰でささえたのが、誰あろう名プロデューサー、Joe Boydその人なのです。
 かれが携わったアルバムは枚挙にいとまがありません。ニック・ドレイクやバシティ・バニヤンもそうです。そんなかれは、しかしながら80年代にはほとんど表舞台にはたたなくなります。おそらく、R.E.Mが最後の大物でしょう。それまで彼が手がけてきた多くのミュージシャン達のように、十年も二十年もの歳月に耐えうる才能を持った新人に出会わなくなったというのが、その理由だそうです。それからしばらくの間、彼は旧友たちの再発や新作のリリースと、世界中のフォークソングのディストリビュートをしていました。

 そんな彼が長い沈黙のあとに、久々にプロデュースしたのがこのhank dogsなのです。メンバーは父と娘、そして女性の3人。シンプルなハーモニーで、しっとりと歌います。もちろん、英国のフォークを特徴づける陰影にとんだ曲づくりは、まさにフォーク・リヴァイヴァルの直系と言えるでしょう。美しいアルペジオにのせて、ゆっくりとしっとりと歌が流れていきます。

 特に絶品なのは2曲目の”18dogs”でしょう。60〜70年代の名曲群と比べても遜色ありません。緊張感に裏打ちされた深い悲しみをたたえつつ淡々と歌われるその歌は、残り少ない20世紀の最後を飾るマーダー・バラッドに他なりません。
 ストレンジと言えばこれほどストレンジな歌は他に無いのかもしれません。彼ら自身はこちら側にいますが、いとも簡単に異界への道をあけてしまうのですから。
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by bow1965 | 2006-08-29 19:57 | その他の音楽

日本的な・・・

三つのウソと5時の鐘
CINORAMA 1994
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 頭脳警察のオリジナルメンバーであるトシことパーカッショニスト石塚俊明のグループである。元々トシは、音楽的には頭脳警察向きではなく、有名な三里塚でも灰野敬二のロストアラーフを横目で見て、あのような自由な音楽をやりたいと思ったそうである。これはそんな彼の初のパーカッションソロアルバム「風の闇−らィさッの打楽 」に続く、自身のバンドとしてのデビューアルバムである。

 たとえばタージ・マハル旅行団や四人囃子を始め、友川かずきとピップエレキバンドや三上寛、遠藤賢司などとの共演からもわかるように、彼のパーカッショニストとしての資質はオールジャンルというよりもノンジャンルである。ロックでもポップスでもない、トシのパーカッションは、不思議なリズムに満ちている。

 このアルバム自体も不思議な、そして不気味な魅力をたたえている。パーカッションと訥々とした女声、豊かなチェロの響き。それらが相まって、まるで古い映画を見ているかのような音像が広がってゆく。その表現は音の大小・高低だけではなく、音の濃淡による東洋的な遠近法が用いられている。もちろん、それは意識して出来ることではなくて、雑食ともいえるトシの音楽への多様なアプローチがもたらした奇跡的なセンスの為せるわざであろう。

 本質的に夜(というよりも宵闇というべきか)に属する、中世ヨーロッパの宗教音楽にも似た静謐さと、いわゆるレコメン系にも比すべき前衛性を孕んでいるその音楽は、「セミクラシック」と評されるほどシリアスであるとともに、ユーモラスである。時に奔放に、ときに理知的に、時に力強く時に儚く。刻一刻と表情を変えるその音楽を、私たちは固唾をのんで見守るほかはない。

 これは日本ではかつて生まれることの無かった極めて日本的な音楽。音楽的な方向性はちがうけれど、たとえば向井千恵の率いるChe-SHIZUや、Charles HaywardのCAMBERWELL NOWあたりとちかい肌触りをもつ。
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by bow1965 | 2006-08-19 18:17 | その他の音楽

そうこなくっちゃ!!

You could Have It So Much Better
FRANTZ FERDINAND 2005
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 しばらく前から、聴くのは60〜70年代の音楽が中心になってきている。もちろん80年代にも好きな音楽はあるのだが、どうも80年代独特の音づくりにつきまとうあざとい感じが少し鼻についている。90年代以降については、ほとんど全滅に近い。

 とくにルーツロックを聴いているわけではないのだが、というよりむしろ辺境に近いところに巣食っているのだが、最近の音楽はちょっといただけない。ま、はっきり言えば「そんなのだったら、すでにツェッペリンがやってるぜ」とか、「いまさら80年代を安直にコピーしたって、仕方ないじゃない」とか、そんなものが多すぎる。 ロックが多様化するのも広がるのも深化するのも変質するのも、それはそれで歓迎すべきことなのだが、なにか足りなくないはないだろうか?? ロックの王道は??

 で、このバンドである。凄い!60年代にロックンロールが生まれてから、70年代、80年代と不毛の90年代を経て、やっと出てきたロックの王道。ひたすらかっこ良くって、歯切れが良くって、ポップでキャッチーでヘヴィーでグラマラス。かっこいいロックンロールを聴いて、久しぶりに興奮してしまった。これが正常にストレートに進化したロックンロールの現在形なら、ロックンロールはまだまだ捨てたもんじゃない。私にとってのロックンロールの王道は80年代にリリースされたDream Time/The CULT以降、あまりにもか細く、見失いそうであった。しかし、もう心配ない!それと同じかそれ以上に骨太で、もっとキレがあって、もっとノリが良くって、イカした、イカれたバンドがやってきたぜ!
1stもおすすめ!! 
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by bow1965 | 2006-07-18 20:56 | その他の音楽

沈み行く先にあるものは

あおいあしおと
ゑでぃまあこん 2005
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 こういった文章を書き連ねていると、音を文字で伝えることに対するもどかしさというのが常につきまとうのであるが、今回は特にそう感じてしまう。いったい、この音楽について、言葉にすることにどれだけ意味があるのだろう。
 たとえば、日本でいや世界でもトップクラスのアッシド・フォークであるとか、頼りなげで夢見心地な浮遊感につつまれるとか言ってみたところで、肝心の音を聞かないのではどうしようもない。音を聞いたところで、特に何も感じない人もいるだろう。

 いったい、どうして僕はゑでぃまあこんの音に魅せられるのだろう。たくさんのレコードやCDを聴いて、その中にはとても気に入ったものもあるし、それこそはまり込んでその1枚だけをしばらく聴きつづけることだって、珍しくない。でも、ゑでぃまあこんは少し事情が違う。

 もともと気分に合わせて音楽を選んだり、音楽で気分を変えたりすることはほとんどない。まあ、マグマを聴けば元気になるし、落ち着きたいときにドゥルッティ・コラムを聴くことはあるけれど、その逆のパターンもあるので、「こういう気分のときはこの音楽を聞く」とか「この音楽を聴くとこういう気分になる」という絶対的な音楽というのは、ほとんどない。あえて言えば頭脳警察誕生ぐらいかもしれない。

 そんな中で、ゑでぃまあこんは少し事情が違う。けしてヘヴィ・ローテーションなCDではない。しかしながら、その歌声、そのメロディ、その空気があたりを満たすと、他の何も必要でなくなってしまう。それだけあれば良い。どこまでもどこまでも一緒に沈んでいきたい。それだけ聴きながら、何もせずに、何も考えずに、一生を過ごしたいと思ってしまえるほど、その音は儚く優しい。ゑでぃまあこんの音楽につつまれて、僕は駄目になってしまいたい。
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by bow1965 | 2006-07-06 21:40 | その他の音楽