パリ 1969
加橋かつみ 1969 CDとしては先頃見開きの紙ジャケットによる二度目の再発をおこなった。 純白のジャケットの片隅にレーベルロゴがはいるだけのデザイン。 見開きには加橋のポートレイトが配されている。 1969年に絶頂期のタイガースを脱退したトッポこと加橋かつみ。 私はリアルタイムでのタイガース体験は無いし、 もちろん、加橋が脱退に至る経緯についても興味は無いが、 このアルバムはGS全盛期にどんな受け止められ方をしたのであろうか? 細く不安定で、それでいてはりのある声。 かすかに震えるその歌声は聞く人の心をも震わせる。 ソフトサイケデリックの隠れた名盤と言ってしまえば それまでなのだが、もっともっと本質的な部分で うたうこととは何かを問いかけているような気がする。 パリの空気は加橋に何をもたらしたのであろう。作詞のほとんどを自作しているが、 作曲はかまやつひろしや村井邦彦の名前が見える。 なにより、ジャン=クロード・プチのオーケストレーション抜きにして このアルバムは語れないであろう。 もともとタイガースというより、GSと言うビッグビジネスのあいだに ぽっかりと空いた深い深い井戸の様なアルバムである。 深い井戸は昼間でも星を映すと言うが、このアルバムは スポットライトも喧噪も届かない静寂の中で 星を映したのだろうか。 その井戸から今でもわき上がる清らかな水を そんなことを考えながら汲み上げる。
by bow1965
| 2006-12-09 17:44
| 〜80年代 日本のロック
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