Halber Mensch
Einsturzende Neubauten 1985 彼らはインタヴューで、『僕らの作っている音楽は全部ラブソングなんだ』という発言をしている。半分しか人間でない人たちのラブソングはとてもプリミティブである。 ベルリン発のカオスミュージック。貧乏なパンクスたちがなけなしの金をはたいて音楽を始めた。ドラムセットを買えないので、そのへんにあった鉄の棒でドラム缶なぞを叩き始めたのが振り出しらしい。これはたしか三枚目のアルバムで、かなりかっちりとした音楽的な枠組みが出来上がっているものの、むしろ肉体労働系の音楽は電気ショックを浴びせたり毒ガスを充満させたりというよりは、鈍器で殴りつける感じに近い(なんのこっちゃ)。 このアルバムが発表されたころ、端正な顔立ちのブリクサは結構人気があったと思う。もちろん彼がバンドのリーダーでありボーカルでありフロントマンであったので当然かもしれないが、他のメンバーの名前は全く思い出せない。 このアルバムで彼らはワールドツアーに出た。日本では後楽園ホールで二日間の日程だったと思う。ちょっと思い出してきたぞ!私は二日目の公演に行ったのだ。ステージの前にパイプ椅子が並べられ、みんな割と行儀よく並んでいた。パンクスもいれば今で言うところのゴス系の黒尽くめもいれば、私はミリタリーだったけど・・・ 開演直前に場内アナウンスがあり、「昨日の公演では観客がパイプ椅子を倒しステージに殺到したため、大変危険でした」とのこと。おっ、立つなってか??と思っていると、「本日はパイプ椅子を撤去してオールスタンディングとしたいと思います」とのアナウンス。会場からは歓声が上がりほとんど会場にいた全員が片付けに手を貸した。もうパンクスからサラリーマンから一致団結して(笑)数百のパイプ椅子が5分ほどで片付いてしまった。 当日のステージ上には巨大な鉄板が吊るされ、スチール製のショッピングカート・ドラム缶・電気ドリル・グラインダー・鉄パイプ(各種)・コイル・送風のダクトとかもあったかもしれない。それはさながら工事現場のようで、「本日使用される楽器は大変危険ですので、ステージには近づかないでください」というアナウンスもうなづける(爆) まあ、こんな感じ。オープニングは真っ暗な中にスモークが漂い、ステージ中央に吊るされたノイバウテンのマークがうかび上がっているなか、「半分人間」の低いコーラスが流れてくる。さながら宗教儀式のよう。 で、ライブは聞きしに勝る感じ。グラインダーで鉄板を削って盛大に火花を飛ばし、道路工事で使う転圧機で会場を叩きまくり、投げつけ、引きずり、こすり、かきむしり、それはもう大騒ぎであった(爆)途中ブリクサともう一人が客席にダイブして、いやが上にも大盛り上がり。私もむりやり突っ込んでブリクサにタッチ!! 危険な楽器にもかかわらず(笑)ステージ前に殺到して熱狂する聴衆と、少し距離を置いて遠巻きにしている恐いもの見たさ組と、その緩衝地帯にできた空間で踊り狂うパンクスたち。 その夜は後楽園ホールが文字どおり揺れていました。
by bow1965
| 2007-04-21 08:37
| 〜80年代 欧州のロック
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